家電量販店などで販売されているlanケーブルは、単線とヨリ線タイプの2種類があります。両方とも基本的な使い方は同じですが、通信品質や曲げやすさなどの点で違いがあります。lanケーブルは内部に8本の芯線が束ねられた構造になっていますが、単線タイプのケーブルは各芯線が1本の太い銅線で出来ています。これに対してヨリ線タイプのケーブルの芯線の内部は7本の細い銅線により構成されており、柔らかくて曲げやすいという特徴があります。
単線タイプのlanケーブルは曲げにくくて使いにくいですが、通信品質が高いというメリットがあります。金属の表面に多くの電子が集まるので、表面に近い部分に多くの電流が流れます。単線タイプのケーブルは導線の表面が滑らかなので、信号(電流)が流れる際に抵抗を受けにくくなります。ヨリ線タイプのlanケーブルは銅線の表面や細い線が互いに接触した部分を伝って電流が流れるので、電流の通り道である表面には無数の凹凸が存在します。
これに加えて細い銅線同士の接触部分に電流が流れる際に電気抵抗になるので、信号が減衰して通信品質が低下しやすくなるというデメリットがあります。ヨリ線タイプのケーブルの芯線は銅線の表面積が大きくなるので、電磁ノイズを吸収しやすくなるという欠点もあります。単線タイプだと銅線の体積に対する表面積の割合が少ないので、ヨリ線と比べると電磁波を吸収しにくくなります。信号の減衰やノイズの影響を低減させることができるので、ケーブル長が長くなる場合や分岐前の幹線部分に使用されます。