積雪の多い地域では、道路に融雪剤や凍結防止剤がまかれます。融雪剤はいわゆる「塩カル」、塩化カルシウムが成分です。この「塩カル」を道にまくと、雪の凝固点が下がります。そのため多くの地域で使用されているのです。
ところが、結束バンドはこの「塩カル」の成分に弱いという特徴があります。結束バンドの主成分は樹脂ですから、塩分によって劣化が進んでしまうのです。このように寒冷地での結束バンドの使用は、出来るだけ道路に近づけないよう注意が必要となります。加えて、結束バンドの中には「塩カル」対策済みの素材のアイテムが存在しますので、それらを利用するという方法もあるのです。
寒冷地仕様の結束バンド素材は、ナイロン12という物質を使用したものが多い傾向にあります。ナイロン12は吸水性が低い物質で、「塩カル」に強いという特徴を備えているのです。耐候性もあるため、多くの寒い地域で導入されています。従来のバンドに比べてかなり丈夫な製品となるため、寿命がのびるというメリットも存在します。
ナイロン12はこのように優れた性質を持っていますが、全てに対して万能というわけではありません。屋外用のバンドとして使用されていても、紫外線には弱いという特徴があります。他の製品と同じように、経年劣化は免れることが出来ません。定期的なメンテナンスを行い力が弱くなっている場合は、速やかに交換する必要があります。
素材はさまざまな性質や特徴を持っていますので、それらを正しく知ることが大切です。