沿岸部において、屋外で機器を使用・運用する場合注意が必要です。通常の地域で屋外にて運用する場合は、太陽熱・光による損耗や風雨による劣化、季節ごとの寒暖の差が注意事項として挙げられます。沿岸部ではこれらに加えて、潮風に晒されることによって発生する塩害も問題となります。悪条件となる気候や災害に対しての対策が施されていないケーブルを使い続ければ、ケーブルの保護膜が腐食してしまう可能性が非常に高いです。
被膜部分の腐食によって内部の配線が露呈し、風によって金属部同士が接触してしまえばショートを起こしスパーク・発火が発生しかねません。ケーブルの破損および発火により、機器にダメージを与えて損傷させてしまったり、最悪の場合は火災にも発展します。加えて機器を使用する場合ケーブルを1本だけで運用するというケースはほとんどなく、多くの場合はケーブルを複数本使用することでしょう。その際に必ず結束バンドを活用して、ケーブルを束ねて運用することがほとんどです。
そこで問題になってくるのが、結束バンドに使用される素材に関してです。多くの結束バンドには、汎用性の高いナイロンが使用されています。合成樹脂であるナイロンは、水分と塩分が多い環境下に晒されることで劣化しやすいという特徴があります。すなわち通常のエリアよりも水分と塩分を多分に含む潮風が吹く、沿岸部でナイロン製の結束バンドを使用すると劣化しやすいという訳です。
ケーブルを束ねている結束バンドが劣化し、それに密着していたケーブルへと腐食が移るというケースも珍しくありません。潮風による劣化への対策としては、耐候性および塩害に強い製品を使うことが挙げられます。海辺の近辺で、完全に潮風をシャットアウトするのは不可能であるからです。また、数年単位でこれらを点検・交換することでトラブルを未然に回避することも可能となります。
